永平寺の修行と精進料理
石川和幸
禅の名刹・永平寺に宿泊して、精進料理をいただくことができます。
深山幽谷に在る曹洞宗の大本山永平寺は、約800年前に道元禅師によって創建されました。精進料理は此の道元禅師によって鎌倉時代に確立されたものと言われています。
「参籠」という、一泊二食¥8000のお客様コースと、「参禅」という、三泊四日¥9000円(延長可)の修行者コースがあります。いずれも坐禅、食事、入浴、勤行を通じて信仰に触れることを目的としているので、旅館などとは違います。男女の相部屋が基本で、禁煙。タオル・歯ブラシ等の洗面道具は必ず持参すること。
「参籠」は、いわゆる展待膳で、おもてなしの精進料理です。永平寺の名物として有名な胡麻豆腐や、実に美味な吉祥昆布が饗され、小さなお土産付きです。
「参禅」は、修行僧(雲水)の日常に準じた体験修行ですから、修行僧と同じものを食べます。一汁一菜が基本で、飯と汁はお替わりが出来ます。(着物・袴は貸し出しで、別に洗濯代¥1000を納める。)
禅の修行において「食」は、坐禅に等しい大切なものです。食事はその全てが修行僧によって作られているのが、永平寺の特長です。いわゆる僧侶ではない専門の料理人は、一人もいません。化学調味料は使用しません。調理、盛り付け、配膳、応接の全てが、修行僧によって賄われます。毎回必ず食事に供されるたくあんも、約5000本が雲水の手によって漬け込まれる初冬の風物詩です。
仏道修行の中で連綿と伝承されてきた精進料理(VEGANです)は、いわゆる菜食料理とは違います。それは文字通り『精進』と云う言葉に込められている、祈りかもしれません。それは、「真に生きる」という精神性に在るのだと思います。仏教では身体と心は密接にかかわっているものとされています。心が身体を引っぱって行くのです。五味、五色、五行に適い、喜心・老心・大心を礎として調えられた永平寺の精進料理で、あなたも心と身体を調えて、宇宙を感じてみませんか。
<申込・問い合わせ先>
〒910−1294 福井県吉田郡永平寺町 大本山永平寺 総受処、電話 0776−63−3102
参考図書:「永平寺の精進料理」(2003年刊)「永平寺の心と精進料理」(2004年刊)(共に学研)

(投稿日: 2007/8/10)