<目次>
第38回IVUワールド・ベジタリアン・コングレス2008に参加して
コングレスの1週間とDay to Dayリポート
フォトアルバム 〜 世界のベジタリアンたち
コングレスの1週間とDay to Dayリポート
〜 コングレスの1週間 〜 プログラムとレクチャーのメイントピック
7月27日(日) 受付、夕食、開会式
7月28日(月) 「アニマル・ライツ、アニマル・ウェルフェア」、エンターテイメント(劇)
7月29日(火) 「菜食と健康、スポーツ」、エンターテイメント(ラインダンス)
7月30日(水) 「社会と政治におけるベジタリアニズム」、ドレスデン観光、エンターテイメント(ロックコンサート)
7月31日(木) 「ベジタリアニズムとエコロジー、自然保護、世界飢餓」、エンターテイメント(ケルトミュージック・コンサート)
8月1日(金) 「ベジタリアニズムと倫理、宗教、スピリチュアリティ」
、閉会式
8月2日(土) 日帰り観光ツアー
IVUウェブサイトに掲載されているプログラム詳細(英語、PDFファイル)
Day to Dayリポート
7/27 | 7/28 | 7/29 | 7/30 | 7/31 | 8/1 | 8/2
7月27日(日)
午後5時過ぎにドレスデンに到着。23日よりプラハに滞在していたのだが、プラハで合流したアメリカからの参加者2名と一緒に特急列車に乗りドレスデン入りした。ホステルにチェックインをして、コングレス会場「Kulturpalast――文化宮殿」(写真)に向かう。文化宮殿というと壮麗な感じだが、要は公会堂だった。ドレスデン・フィルハーモニーの演奏もここのメインホールで行われるそうだ。一週間、この会場でコングレスが行われ、メインホールではセレモニーやメインのレクチャー、その他、より小さめの部屋五つでも同時進行でレクチャーが行われる。メインホールで行われるものには英語⇔ドイツ語の同時通訳がつくが、その他の部屋で行われるものはドイツ語の講義でも通訳はつかない。
会場に到着後、登録を済ませ、食堂でビュッフェスタイルの夕食をとる。コングレス期間中会場で出される食事はヒルトンホテルによるもので、すべてビーガン。サラダの大盛りとドイツパンにペーストを塗ったもの、食後のデザートにはバニラ味のクリームにベリーソースをかけていただいた。
夕食の後は開会式に出席。ドレスデン市長やドイツ・ベジタリアン協会代表、ヨーロピアン・ベジタリアン連合代表らによる歓迎のスピーチがあった。また、IVUマネージャーでヒストリアンのジョン・デイヴィス氏による、世界のベジタリアン協会の歴史やIVUコングレスの歩みについての興味深いプレゼンテーション(写真)や、ベジタリアンやビーガンのアーティストによる演奏も披露され、はれやかな雰囲気だった。


7月28日(月)
早朝、ジョギングをした。人気のない観光名所を抜け、さらにエルベ川沿いを走り気分爽快。
滞在中の朝食は毎日ホステルでビーガン食を出してくれる。ホステルといっても何百人と収容できるほとんどが二人部屋の大規模な宿泊施設。毎朝、ドイツの黒パンやカイザーロール、パンに塗るペーストやクリームチーズ風のスプレッド、ビーガンハム、生野菜、果物、ソイヨーグルト、そしてホットミールが一品出される。この日の朝は、クリームチーズをぬったパン、豆腐と野菜のホットミールと果物をいただいた。
午前中は9時15分よりレクチャーが開始。メインホールでアメリカ、ノースカロライナのベジタリアン協会代表のディリップ・バーマン氏の”Introduction to Anial Rights Philosophy(動物の権利概論)”、つづいて、ドイツのDr. Eisenhart von Loeperの”Animal Rights, the Constitution and Humanity(動物の権利、憲法、人道)”を聴講。
12時からランチ・ブレイク。サラダとデザートのココナッツプディングをいただいた。前回インドのコングレスで仲良くなったアメリカからの参加者、ホアンと再会し、楽しい昼食をとった。(写真:左はスペインからのフランシスコ(ローフーディスト)、右:ホアン)

午後2時からレクチャーが再開。メインホールで”Ecological Aspects of Vegetarian Nutrition with Focus on Climate Change(菜食の環境的側面、気候変動に焦点をあてて)”を聴講。スピーカーのMartin Schlatzerは28歳のオーストリア人で、食と環境について研究する大学院生だ。やはり、畜産業の環境への悪影響を論じた有名な2006年のFAO発表を取り上げながら、独自の研究結果もよくまとまっていて説得力のあるスピーチだった。2時55分からは、”The Doctor’s Place is the Kitchen(台所こそ医師の職場)”という本を著したDr. Alberto Gonzalesの、”Raw Vegetarian Kitchen: Hope for Health at the Bottom of the Pyramid(ローベジタリアン・キッチン――貧困層におけるローフードの健康効果)を聴講。ブラジルの小さな町でローフード(生食)を取り入れた代替医療の取り組みについての興味深い発表だった。(写真)
その後、食堂でティーブレイクをとり、ブラジルのサンパウロから来ている人たちとおしゃべり。ブラジル日本移民100周年のことなどについても話がおよんだ。夕食前には、会場内のブースを巡りながら話をしたり写真を撮ったりしているうちに時間があっという間にすぎてしまった。夕食時、インドネシア・ベジタリアン協会代表のスシアントとドイツのフラヤーさんと食事。フラヤーさん(75歳)は生まれたときからベジタリアンで、両親(父親105歳、母親98歳)もベジタリアンだとのこと。(左の写真)夕食後はアジアのベジタリアン協会から来ている方々とミーティングがあり、垣本会長と出席。今後のアジア・ベジタリアン連合の方針などについて話し合いを持った。(下の左の写真)



7月29日(火)
旅の疲れが出て、朝はゆっくりし、昼から会場に行った。昼食は大盛りサラダとラザニアをいただいた。

午後2時から、シンガポール・ベジタリアン協会代表のジョージ・ジェイコブズ氏の”Howard Gardner and his Theory of Multiple Intelligences(ハワード・ガードナーのMI理論(MI=多元的知能))”を聴講。(下の写真左)2時55分からはリン・ベリー氏の”Ethical Vegetarianism and Non-violence in the World’s Religions(世界の宗教における倫理的ベジタリアニズムと非暴力)”を聴講。

午後4時からは、IVUの総会に出席。(上の写真)アジェンダは会計報告、各種活動報告、2010年のインドネシアのジャカルタで行われるWVCや2009年にブラジルのリオデジャネイロで行われるインターナショナル・ビーガン・フェスティバルについての進捗状況報告、2012年のWVC開催地決定(ノースカロライナに決定)、評議員の選出などだった。

7月30日(水)
中日として水曜日はあまりレクチャーは行われず、大勢の人は午後からツアーなどで観光をしていた。私はジョギングの後、ツヴィンガー宮殿の美術館、フラウエン教会などをめぐってのんびりした。その後、アイルランドからの友だちジムと自然食料品店などを巡った。(写真)
夕食後、ドイツのロックミュージシャン、Peter Vollandのコンサートがメインホールで行われていたので聴きに行った。オーディエンスは老若男女、踊りだして大変盛り上がっていた。
この日のコンサートは、本来であれば北京の「優質大豆バンド」という名前のロックグループで活動しているXie Zhengも演奏するはずだったが、彼はビザの関係で今回コングレスに来ることがかなわなかった。Xie Zhengは2006年より”Don’t Eat Friends”と銘打って動物の保護と菜食を訴える音楽活動を中国各地で積極的に行っているビーガンのミュージシャンだ。彼の演奏を楽しみにしていたので、キャンセルになったのは非常に残念だった。

7月31日(木)
午前9時15分、アメリカのカリン・ハートグラス(Caryn Hartglass)の”Eating to Protect our Ecosystem(環境を守る食事)”を聴講。彼女もFAOの2006年のレポートふんだんに引用していた。次のコマ、10時45分からは、本来であれば「もうひとつのノーベル賞」受賞者のヴァンダナ・シヴァ博士(Dr. Vandana Shiva)の講演のはずだったが、体調不良で渡航がかなわなかったとのことでキャンセル。代わりに、北米ベジタリアン連合評議員兼広報担当者のジェリー・コフィー(Gerry Coffey)の”Food & Mood: War or Peace(食事と心――戦争か平和か)”を聴講。

昼食は山盛りサラダとフルーツ、ソイドリンク。昼食後、会場外に出ているビーガンアイスクリームの屋台でキャロットアイスクリームをいただく。暑さも手伝って、アイスクリーム屋のおじさんは忙しそうだった。

昼食後は興味深いレクチャーが目白押しでどれをききにいくか迷った末、Dr. Corina Gericke(ドイツ)の”The Way out of the Blind Alley of Animal Research Oriented Medicine(動物実験指向の医薬、袋小路からの脱出)”、Renato Pichler(スイス)の”Veggie Meets Industry: the V-Label Project(ベジと産業――ベジタリアン推奨マーク・プロジェクト)”、Tobias Leenaert(ベルギー)の”Reaching Everybody. Campaigning for one Vegetarian Day a Week(「週に一回ベジタリアン運動」を通してより多くの人に働きかける)”を聴講。どれも大変勉強になった。

夕食はサラダと、ニンジンとグリーンピースの寒天よせのようなお料理をいただいた。夕食後のエンターテイメントはベジタリアンのフォークミュージシャンによるケルト音楽の演奏。大勢の人が楽しそうに踊っていた。(写真)



8月1日(金)
早朝エルベ川沿いをジョギング。
午前9時15分より世界的にも著名な現代神学者の権威、Prof. Dr. Eugene Drewermannの”Animals and People: Towards a new Ethical Relationship(動物と人間――新しい倫理的関係へ)を聴講。
昼食は友だちと近くのベジタリアン・フレンドリーなレストランAHAのサラダバーで。(写真)

午後には、協会会員でもある石川和幸さんの”Zen Vegetarianism in Japan: Meals and Spirituality(禅の精進料理――食事と心)”があり、会場では30〜40名ほどの聴講者が熱心にプレゼンテーションに耳を傾け、日本の菜食文化への関心の高さがうかがわれた。(写真)この午後はまた興味深いレクチャーが同時進行していて困ったが、Francesco Maurelli(イタリア)の”Vegetarianism and Esperanto: Two Green Ways(ベジタリアニズムとエスペラント)”、インドネシア・ベジタリアン協会代表のスシアント・チェン(Drs. Susianto Teng)の”The Nutritional Status of Vegetarian Children in Indonesia(インドネシアの菜食の子供たちの栄養状態)”を聴講した。(写真)
レクチャーがすべて終了し、閉会式ではボランティアとしてこのコングレスを運営してくれたオーガナイザーやスタッフの人々に拍手喝采が送られた。
閉会式後はおわかれパーティーをかねた夕食会で、メニューもこれまでより豪華に、ベジタリアン巻き寿司やトルティーヤ・ラップ、ソイハンバーグなどもあった。大勢の人が食堂に集まって、写真を撮りあったり別れを惜しんだりと、夜遅くまでにぎやかなパーティーだった。(写真)


8月2日(土)
この日はポスト・コングレスのイベントとしてオーガナイザーがアレンジした観光ツアーに参加する人、ツアーとは別に仲間と旅を続ける人、帰途に着く人と、各人各様となった。
私は朝ホステルをチェックアウトし電車で空港に向かい、ルフトハンザ航空でドレスデン→ハンブルグ→成田の帰国の途についた。