健康ベジ料理
渡部由美 
元大阪信愛学院短期大学教授 
 菜食が健康によいからといって、野菜ばかりを食べていては、栄養のバランスがとれません。健康でパワフルな毎日を過ごすためには、あるいは、引き締まったボディーを目指してダイエットに励むためには、過剰な脂肪を減らすとともに、良質なタンパク質を摂ることが大切です。特に、牛乳や卵を食べない、植物性食品のみを摂る純粋菜食の方は、タンパク質やカルシウムなどの不足に気をつけましょう。
 ここに紹介する料理は、 『超簡単』 『時間をかけない』 『誰でもできる』 料理です。毎日のことだから、洒落てもいないし、凝ってもいません。しかし、健康を考えたとき、摂りたい食材をたくさん使った料理です。味つけはそれぞれ好みが違いますので、自分の好みに合わせて調味料を加減してください。
1) 基本の 「だし」 をとろう
一般的に和食は昆布と鰹でとっただし汁(一番だし、二番だし)を使いますが、菜食では昆布としいたけを使います。洋食のフォンは牛骨、鶏がらなどを野菜といっしょに長時間煮込んで漉したもので、ソースもそれらを使って作りますが、菜食では、野菜のみを煮込んで野菜のうま味をしっかりだします。

 ▼和風だし

 @ 昆布だし
  だしをとる昆布は肉厚の利尻昆布や羅臼昆布、日高昆布が適しています。布巾で汚れをさっと落とし、分量の水に浸けます。水だし法では2〜3時間、あるいは冷蔵庫で一晩ほど浸けておきます。
急ぐ時は、鍋で昆布を30分程度水に浸し、火にかけて沸騰直前で昆布を引き上げます。長く煮立てるとぬめりが出ます。だしをとった後の昆布は冷凍保存して、いろんな料理に使いましょう。
  <できあがり分量:カップ5の場合>
 ・昆布 15cm 1〜2枚
   (幅にもよりますが、15cm程度にカットして保存しておくと便利)
 ・水 カップ5強

A しいたけだし
 

干ししいたけのほこりや軸をとって、ボウルに水を入れてしいたけが柔らかくもどるまで浸けておきます。その浸漬液をこして使います。しいたけは料理に使います。


<できあがり分量:カップ3の場合>
 ・干ししいたけ 4〜5枚
 ・水 カップ3強



B 精進だし
  動物性の食材を使わない精進料理の汁物や煮物に用いるだしのことで、昆布、干ししいたけ、大豆、かんぴょうなどからとります。

 <できあがり分量:カップ5の場合>
     昆布 15cm 2枚
     干ししいたけ 2〜3枚
     水 カップ5強


C お手軽だしの素
  昆布やしいたけからだしを取るのが面倒な方や急ぎのときには、市販の「昆布だし」や「精進だし」を使えば便利です。
顆粒や液体があります。

・昆布だしの素
・精進だしの素

 ▼洋風だし

@ フォン・ブイヨン
  スープや煮込み料理のベースになる洋風だしのことです。数種の野菜と香草をじっくり煮込んで野菜のうま味を出します。万能こし器にペーパータオルを敷いてスープをこします。
製氷皿で凍らせて冷凍保存できます。

玉ネギ、セロリ、ニンジン、キャベツ、ブーケガルニ(風味づけに使う香草の束・セロリの葉、パセリの茎、ローリエなどを束ねたもの)塩、コショウ

A ソース

 

ホワイトソース
基本は、小麦粉、バター、牛乳で作ります。鍋を弱火にかけてバターを溶かし、火からおろして小麦粉を振り入れます。木じゃくしでよく混ぜて弱火で炒め、ルーを作ります。温めた牛乳を少しずつ加えてダマが出来ないように混ぜながらのばしていき、弱火で5分程度煮詰めて、とろみがつけば塩コショウで好みの味にします。牛乳の一部をブイヨンにしてもよい。

  <グラタン用>
 小麦粉:大さじ2
 バター:大さじ2
 牛乳:1カップ  
 塩コショウ:適宜
 「小麦粉+バター」の量を多くすれば
 濃厚になります。
  注) 純菜食の場合はバターを植物性のマーガリン(写真例)、乳を豆乳にします。


  基本のトマトソース
イタリア料理のパスタやピザで知られる酸味のある ソースです。
鍋に油を熱し、玉ネギ、ニンニクのみじん切りをよく炒めて 色づいてきたら、小麦粉を振り入れます。 弱火でしっかり炒めてトマト の水煮缶を汁ごと加え2/3量になるまで弱火で煮詰めます。ミキサーにかけるか、裏ごし器でなめらかにして、塩、コショウで調味します。
  ・トマト水煮缶 1缶  
・玉ネギみじん切り 1個分 
・ニンニクみじん切り 2片
・油 大さじ2 
・小麦粉 大さじ2 
・塩コショウ 適宜 
・固形ブイヨン 1個(加えると風味がよくなる)

B お手軽ブイヨン

  家庭で作る洋風のスープや煮込み料理には、ほとんど固形スープの素が使われます。 動物性の食材を使っていないブイヨンが市販されています。
  ・欧風だし
・無添加ブイヨン
2)調味料の組み合わせで「あえもの」上手に
「あえもの」は野菜や海藻、きのこなどの植物性食品をいろんな味付けで楽しめる簡単な調理法です。バリエーションが豊富で、残った野菜もりっぱな副菜になります。
調味料の組み合わせ表
3)タンパク質で体づくりを
 植物性食品の中でタンパク質含量が一番多いのは大豆です。大豆のタンパク質はアミノ酸のバランスもよく、動脈硬化の予防にも優れています。植物性のタンパク質をベースにした加工品を利用するのもよいでしょう。

 @ 大豆   
 A 豆腐     [ T , U , V]
 B 豆乳     [ T , U]
 C おから    
 D 大豆タンパク製品 (タンパッキーなど)  [ T , U ]
 E 小麦タンパク製品
4)カルシウムたっぷりで骨太に
 乳製品や野菜、海藻にはカルシウムが多く含まれています。しかし、野菜や海藻は牛乳、チーズなどに比べると、吸収率が低いという難点があります。野菜の中でもカルシウムを多く含むものを摂りましょう。


5)鉄を摂って貧血予防を
 貧血の中で最も多く見られるのが鉄欠乏性貧血です。動物性食品に含まれるヘム鉄に比べて植物性食品の非ヘム鉄は約1/5しか吸収しません。大豆製品、ほうれん草、ひじきなどは比較的鉄を多く含む食品です。ビタミンCは鉄の吸収を促進します。
6)野菜のパワーで元気いっぱい
 赤や緑の野菜には、ビタミンミネラル植物繊維など体の調子を整えてくれる成分が多く含まれています。また、活性酸素を消去する抗酸化作用物質(フィトケミカル)は疾病予防や細胞の若さ維持に役立っています。

 [ T , U, V ]
7)昆布の再利用

 菜食の和風料理では 「昆布だし」 を使います。だしを取った後の昆布は捨てないで、冷凍保存しておきます。食物繊維、カルシウム、鉄など豊富に含んでいます。最近、抗がん作用で注目されている 「フコイダン」 も昆布の成分です。おいしい昆布料理に変身させましょう。 

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2007年10月25日