肉の多食は地球環境の破壊だ!

 ジョンズホプキンス大学ロバート・ローレンツ教授は、京都市で8月、「健康と栄養と地球環境を考える国際会議」を主催し、「肉の多食は地球環境の破壊である」ことを主張された。
 肉をとりすぎるとコレステロール値が上がり、体脂肪率が増え、大腸がんや心臓病にかかりやすくなる。たいていの医師は食事指導を考えるところで終わるが、もっと根本の問題を考える必要がある。
 米国人が1人1年間に123キロの肉を食べる食生活が問題なら、それを支える「農業の工業化」はもっと深刻である。米国では工場のようなところで家畜を大規模に飼育する。飼料を広大な畑で育て、生物の多様性を減らし、大量に水を使い、農薬や化学肥料による土壌および水の汚染を引き起こす。家畜には大量の抗生物質を使い、薬剤耐性菌ができる背景となる。
 肉食の問題は資源問題にも及ぶ。1カロリー分の肉を得るために3キロカロリー以上の化石燃料が使われる。食肉消費を減らし小さな農業に切り替える方法を探らなければならない。
 地球環境問題の処方せんは1人では書けない。国際会議は、医学や栄養、経済、環境の専門家が情報交換する場である。2年前の地球温暖化防止京都会議で、米国は産業界寄りと批判を受けた。今回はばん回のチャンスであり、会議はそのために何が出来るかを考えるきっかけとなった。


−朝日新聞 1999年9月3日−